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柳岳
【やなぎだけ】


南那珂郡北郷町と北諸県(きたもろかた)郡三股町の境界に位置する南那珂山地の山。標高952.3m。都城盆地の東壁をなし,主稜は北東から南西に延びて,北東は鰐塚山(1,118.8m)に,南西は牛の峠(680m)に至る。支稜は南東方向にもあり,小松山に達する。北面・西面の中腹標高約500m付近から急に傾斜が大きくなり,これに対し南東面はやや緩斜面である。これは北部は大淀川の支流沖水川の浸食がかなり進んで山麓に狭小な谷底平野を形成しているのに対し,南部酒谷川の浸食はまだ上流部にあまり達していないことによる。地質は古第三紀の日南層群からなり,ほぼ主稜に平行に各層が連続する。山頂部は礫質砂岩・礫岩・砂岩からなり,北西山腹から山麓にかけてと南部山腹は頁岩が卓越する。北東部鰐塚山との鞍部は板谷越で,かつて三股町板屋と北郷町板谷を峠越えで結んだ。現在は矢立トンネルが山腹を貫通する。南部牛の峠は三股町宮村と日南市新村を結ぶかつての交通路であるが,江戸期に鹿児島藩と飫肥藩の境界論争が生じたこと(牛之峠論所)で知られる。山名の由来は不詳。




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「角川日本地名大辞典」
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