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横谷トンネル
【よこたにとんねる】


児湯(こゆ)郡西米良(にしめら)村と熊本県湯前町とを結ぶ国道219号線の県境のトンネル。本県側は西米良村板谷黒仁田に位置し,熊本県側は,湯前町横谷に位置する。全長1,608m(本県側847m,熊本県側761m),幅員8m・高さ4.8m。坑口の標高は本県側549.0m,熊本県側508.7mで,2.5%の勾配で本県側が高い。照明灯・押ボタン式非常警報装置・遮断機・遠隔制御装置・消化栓を備え,県内のトンネルとしては優秀な設備をもつ。国道219号の旧道は,宮崎・熊本の県境をなす九州山地,横谷峠越の狭くてカーブの連続する難路であり,これは今も,峠上の7戸の民家の人々の生活道路である。両県はこの峠越えの隘路解消を目的として,昭和48年4月から,延長11.4km区間の道路整備事業に取り掛かった。横谷トンネルの掘削はこの事業の主要な一部であり,昭和51年10月に熊本県側から工事を開始した。熊本県側では坑口から400mの所で異常出水があったり,本県側では地質が悪く人力掘削をするなど難航したが,昭和53年6月に導坑貫通式を経て,同56年3月竣工を迎えた。トンネルの開通と道路新設により,西米良村村所と湯前町の間は,距離にして3km,時間にして国鉄バス日肥線(湯前から村所へ日5便,村所から湯前へ日4便)が80分から50分,乗用車が50分から30~35分に,それぞれ短縮された。トンネル開通前の昭和55年の交通量は366台であったが,開通後の同58年には535台と伸びをみせている。歴史的に熊本県とは深いかかわりをもっている西米良村にとって,このトンネルの担う役割は大きい。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7236302