リニアモーターカー実験線
【りにあもーたーかーじっけんせん】

日向市美々津～児湯(こゆ)郡都農(つの)町明田(みようでん)間で行われているリニアモーターカーの実験路線。全長7.1km。昭和52年４月，宮崎浮上式鉄道実験センター開所。同年夏より昭和54年末まで逆Ｔ型ガイドウエーを使用して走行実験実施。同年12月21日，時速517kmの磁気浮上走行に成功し，世界最高記録を樹立。昭和55年から実用化に向けての実験開始。実験線をＵ型に改良，車両も新型にする。同57年９月，有人走行実験に成功，同年11月から３両編成の車両で連結浮上走行実験実施。浮上式鉄道は車両の支持・案内・推進すべてを磁石の力で行う。車体の上下の支持は磁石同士の反発により，約10cmの高さに浮上。車体の左右への案内は磁石同士の反発力を利用し，車体が左右いずれに変位しても，ガイドウエーの中央に戻るようにする。車体を前後に推進させるためには，案内コイルに外部から電流を流し，車上磁石との反発力や吸引力を利用して車体を一定方向に進めるよう働かせる。美々津と明田の中間地点にある国鉄日豊本線東都農駅（都農町）には展望台があり，最高速度の状態の走行を見ることができる。また，実物大の模型や資料も展示してある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7236322