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新上橋
【しんかんばし】


鹿児島市新照院町にあり,市内を南北に二分する甲突川に架かる五大石橋の1つ。4連アーチ型橋。全長46.8m。弘化2年に構築され,五大石橋中最古のもの。幕末,藩の財政立て直しを完遂した鹿児島藩は,さらに経済基盤を確立すべく,道路や河川などの整備事業に着手した。当橋はその事業の一環として架橋されたものである。藩は肥後の石工,岩永三五郎を招請し,この工事に当たらせた。彼は当時としては秘法とされていた円周率の知織を有した数少ない中の1人であり,この知識を応用して,最初にこの架橋工事に着手,以後鹿児島藩に15年ほど滞在した間に甲突五橋(玉江橋・新上橋・西田橋・高麗橋・武之橋)をはじめ,指宿(いぶすき)・串木野・川内(せんだい)あたりまで手を広げ,三五郎および,彼に指導された者による架橋工事は36橋に及ぶといわれている。当橋は4連のアーチからなり,アーチ径間は中央の2つが10.8m,両側が9.5mの構造をなす。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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