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武之橋
【たけのはし】


鹿児島市にあり,市内を南北に二分する甲突川に架かる五大石橋の1つ。五大石橋の中でも最下流にあるため,川幅も広く,橋の長さも71mと同河川中最長である。5連アーチ型橋。嘉永元年に構架された。幕末,財政立て直しを完遂した鹿児島藩は,さらに経済基盤を確立すべく,道路・河川などの整備事業を始めた。この橋もその事業の一環として架橋されたものである。藩は肥後の石工,岩永三五郎を招請しこの工事に当たらせた。彼は当時としては秘法とされていた円周率の知識を有しており,その知識を応用することにより,江戸期を通して日本一長大なこの石橋をつくった。甲突川五大石橋は,すべてこの岩永三五郎の手によるものであり,石積みのアーチ型の橋である。上流から玉江橋・新上橋・西田橋・高麗橋・武之橋が架かる。中でも当橋は他の4橋より1連多い5連のアーチからできており,壮大な眺めを呈する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7238161