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東宿
【あがりじゅく】


王府時代の官道。沖縄本島の東海岸に沿って走っていた。沖縄本島地方の海上交通を含む交通網は,18世紀前半までに整備されたといわれ,道路のうち宿道は幅8尺以上,脇道は幅5尺以上,原道は幅3尺以上と規定された(県歴史の道調査報告書)。東宿は,国頭(くにがみ)方へは,西原間切から宜野湾(ぎのわん)―越来(ごえく)―美里―金武(きん)―久志―羽地―大宜味(おおぎみ)の各間切を経て国頭間切へ至り(南島風土記),国頭番所から那覇(なは)までの距離は23里余(里積記/那覇市史資料1‐2)。中頭(なかがみ)方へは,西原間切から宜野湾―中城(なかぐすく)―具志川―勝連(かつれん)の各間切を経て与那城(よなぐすく)間切に至り(南島風土記),与那城番所から那覇までの距離は8里余であった(里積記/那覇市史資料1‐2)。沖縄の宿駅制度は,永楽年間(1403~24)に尚巴志が三山を統一したのちに作られたといわれる(由来記)。近世の東・西の宿道には,通過する各間切に駅が置かれ,駅には制札がかけられ(同前),間切番所とも呼ばれた(旧記)。また,駅には駅馬が出され,役務の者が昼夜詰めて,公文書などの連絡にあたった(由来記・旧記)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7239605