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大阿母御嶽
【おおあもおん】


石垣市平得(ひらえ)にある御嶽。方言ではウフアムオンという。初代八重山大阿母職に任ぜられた多田屋オナリの墓が,村人の尊崇を集めて御嶽となったといい,大阿母を方言でホールザーと呼称することから,ホールザー御嶽とも別称する。多田屋オナリは,弘治13年(1500)オヤケ・アカハチの乱で功績のあった長田大主の妹真乙姥が,美崎山(御嶽)にこもって首里王府軍の無事帰還を祈願していたのを助けた神女で,その功により大阿母職に任じられた(八重山島大阿母由来記)。御嶽は平得集落内にあって南面する。平得の種子取祭やプーリィ(豊年祭)はこの御嶽を中心に行われる。豊年祭の「御神酒」に,「大阿母ぬ神元ぬ御神酒 神響まれ上響まれ御祝い(大阿母嶽の,神元の御神酒よ,神鳴響まれ,上が鳴響まれる御祝い)」とある(フミシャギィ8/歌謡大成Ⅳ)。これは,この御嶽の神庭で行われる,世果報(豊穣)を感謝する厳粛な神酒頂戴の祭儀のときに謡われる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7240018