100辞書・辞典一括検索

JLogos

13

沖宮
【おきぐう】


那覇(なは)市奥武山(おうのやま)町にある神社。祭神は伊弉冉尊・速玉男尊・事解男尊。琉球八社の1つ。「琉球神道記」は洋ノ権現とし,「建立時代,霊異等ノ事,明ナラズ。熊野神ト見ヘタリ。愚案ズルニ,為友,此国ヲ治ラル時,鬼神降伏ノ神タル故ニ,念願アリテ,立ル歟」と記し,源為朝の渡来説話に関連づけている。昔,那覇港に光気があり,王が城中より見て網ですくわせると枯木であったといい,蓬莱の霊木として板葺の社殿を建て,この木を奉安したと伝える(沖山三所大権現縁起/由来記,球陽尚貞王13年条)。那覇港北岸に立地。現在県立博物館に所蔵されている沖宮の天順3年(1459)銘の鐘には「本州一品権現」とある(県文化財調査報告書69)。康煕20年(1681)瓦葺に改めた(球陽尚貞王13年条)。正月元日・15日に官吏を遣わし,国王万歳・子孫繁栄・国家安穏を祈り,12月晦日に年籠りが行われた(由来記)。王府時代,神職には役俸が支給され,明治6年の「琉球藩雑記」では祝部3石・内侍1石5斗・宮童1俵とある(県史14)。明治41年那覇港築港のため,安里の八幡宮の隣に遷宮。本殿は三間社造りで昭和13年国宝に指定されたが,同19年の10・10空襲で炎上した。昭和32年通堂町3丁目(現奥武山町)に移転した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7240099