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上天妃宮
【かみてんぴぐう】


那覇(なは)市にあった廟。天妃は中国の媽祖信仰に由来する航海を守護する神。久米村に宣徳~正統年間(1426~49)の間に創建され,以前からあった天妃宮を下天妃宮とした(由来記・琉球国碑文記)。尚泰久王は景泰8年(1457)銘の巨鐘を喜捨している(由来記)。崇禎元年(1628)にこの宮の前に竜王殿を移建し(琉球国碑文記),康煕30年(1691)には関帝廟を宮内に設けた(由来記)。同39年に修復し,同54年には程順則が石神像を寄進し建立した(琉球国碑文記)。「中山伝信録」に「宮は曲巷中にあって門南向し,神堂東向す。門旁また石神二あり。門を進て甬道に上れば,左右寛さ数畝にして,繚垣周環す。正中を天妃の神堂とす。右の一楹を関帝の神堂とし,左を僧寮となす。下に鐘一所,大門の左に神堂あり」と記す。明治22年天妃小学校敷地とされ,竜王殿・関帝廟とともに波之上の天尊廟へ移された。現在,久米1丁目の天妃小学校に隣接して上天妃宮跡の石門(市史跡)がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7240266