金武
【きん】

旧国名:琉球

方言ではチンという。沖縄本島北部，恩納(おんな)岳のすそ野が東に緩やかに延びた丘陵上に立地し，南は金武湾に面する。「おもろさうし」に「きんのよのぬし（金武の世の主）」が見える。「ペリー訪問記」にはチン（Ching）と見える。地名は，かつてはアイヌ語の山脈（キム）という意味とされたが，「国頭村史」は焼畑の地を意味するとしている。村落の中央に金武城跡があり，城跡の側の金武洞穴遺跡（沖縄考古編年後期）から須恵器・磁器類・中国製陶器・グスク系土器が発掘された。16世紀に日秀上人が建立した観音寺があり，境内に琉球八社の１つ金武宮がある。
【金武間切(近世)】　王府時代～明治41年の間切名。
【金武村(近世)】　王府時代～明治41年の村名。
【金武村(近代)】　明治41年～昭和55年の国頭郡の自治体名。
【金武町(近代)】　昭和55年～現在の国頭郡の自治体名。
【金武(近代)】　明治41年～現在の字名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7240409