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古棚原御嶽
【こたなはらのうたき】


浦添(うらそえ)市西原小字ウガンメーバル(拝前原)にある御嶽。西原集落の東にある小高い丘に位置し,北は宜野湾(ぎのわん)市,東は西原町棚原に当たる。地元ではこの丘一帯をウガン山と称しており,古棚原御嶽はウガン山の一番高いところにイビが祀られ,昭和35年8月10日建立された小さな祠がある。また,北側の崖下にあるアガリガー(東井泉)は,石灰岩とクチャ(泥岩)の不整合面からわく井泉で,水量が豊富なため,飲料水としても利用された。産井戸とも呼ばれ,旧暦6月25日のウマチーには水神への感謝と村民の健康を祈願する。正月には朝早く初水をくんで仏壇に供え,家族の一年の安全と健康を祈る。井泉の周囲には石垣を築いてあり,前には高さ約1.3m・幅1mのヒンプンがある。このヒンプンは最初の頃は行水の時のヒ立テであったが,その後飲料水をくむ婦女子が水甕を頭にのせやすくする台にしたという。アガリガーは水量の豊富さと石積みの構造など,浦添の歴史に深くかかわるものとして,昭和56年に市文化財に指定された。現在ウガン山一帯は森林が生い茂り,御嶽・殿・拝泉などが残された市内唯一の場所となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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