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崎山御嶽
【さきやまうたき】


那覇(なは)市首里崎山町1丁目にある御嶽。方言ではサチヤマヌウタキという。首里台地の南東部をほぼ東西にのびる丘陵の西端に位置する。この御嶽は察度王(1350~95在位)の長子,崎山里主(崎山子ともいう)の屋敷跡といわれ(由来記),古瓦が出土し崎山御嶽遺跡と呼ばれる。崎山里主が釣りの時霊石を得て,それを祀ったのが波上宮という(由来記)。のちに里主の屋敷跡が聖域化されて崎山御嶽と呼ばれるようになり,門を東向きに設けて屋根は瓦でふいた。同治4年(1865)に門が老朽化したため石造屋根型の門に改めた。翌年8月の大雨で南側の宅地が崩れ落ち,御嶽も長さ16間・横3間が崩落した(球陽尚泰王18年条・19年条)。首里大あむしられの祭祀するところであり,境内北東側にある崎山樋川の水は,察度王代の首里城の御用水だったと伝え,正月の御水取りの行事には巳の方の吉水として献上された(由来記)。境内は深い緑の中にあり,岩石が多く散在していたため,沖縄戦時には日本軍の絶好な隠れ場として多くの防空壕が掘られた。そのため米軍の猛砲撃を受け,岩石は砕かれ,石造門も破壊された。現在石造門跡にコンクリート造りの屋根型門が建てられ,境内は崎山公園となっている。現在も町内に講があり,毎年旧暦9月にヒーマーチの御願が行われる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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