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さしきおやひかわ
【さしきおやひかわ】


「おもろさうし」に見える樋川の名。佐敷町内にあったが,場所は未詳。「旧記」附巻の4に苗代泉(俗に苗代樋川)とあるのはこれか。巻14-31,No.1012の1首のみに次のように謡われている。一さしきおやひかわ(佐敷親樋川) せ つみよわちへからい(堰を積み給いてからは) いみやからと(今からこそ) おきもせち まさる(御肝せぢが勝る)又ね国おやひかわ(根国親樋川)根国(国の中心)になる佐敷の親樋川を築き整えたことを讃美したオモロである。「おやひかわ」は立派な樋川の意。「おきもせち」は心をふるいたたせる霊力の意。親樋川は佐敷の地で重要な樋川で,村の日常用水として不可欠な樋川,あるいは祭祀にあたってみそぎの場として神聖視された樋川であったであろう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7240638