田名
【だな】

旧国名:琉球
方言でもダナという。伊平屋(いへや)島の北部に位置する。沖縄考古編年後期の田名東原貝塚・田名西貝塚があり,集落北方には田名城跡がある。伊平屋島では最初の集落といわれる(伊平屋村史)。「おもろさうし」に「たな」と見える。旧暦7月に各家の幸福と長寿を願って謡われる「テルク口」にも,「たな」と見える(ティルクグチ1/歌謡大成Ⅰ)。地名は,集落入口にあるウジャナモイ(大田名杜)にちなむものか。大田名節に「大田名の後にむざ水のあゆん夫振ゆる女おれにあみせ(大田名の後にむざ水という水たまりがある。夫を大事にしない妻はその水たまりに水浴びさせたらよい)」とある(琉歌全集478)。この琉歌は,漁に出て遭難した夫の無事を信じて,岩の上で布を織りながら待った妻の涙が,ンゾミジ(無蔵水)という溜水になったという伝説を背景に謡われたものである。古くは久里・ガジナ・大田名の3つのマキョからなり,現在でも3人のノロがいる。伝承によれば,久里は流行病で滅亡し,ガジナは潮害のため大田名に移ったという。上古の乱世に敵軍が攻めて来たとき,村人はフマヤー(洞穴)に隠れたが,捕らえられた兄妹がやむをえず村人の居場所を教えたため,火攻めにあって全滅した。その後,助かった兄妹が夫婦になり,当地の住民になったと伝える。
【田名村(近世)】 王府時代~明治41年の村名。
【田名(近代)】 明治41年~現在の伊平屋村の字名。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7240969 |





