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友盛御嶽
【ともりうたき】


浦添(うらそえ)市安波茶(あはちや)小字富盛原にあった御嶽。方言ではトゥムイダケという。富盛嶽とも書く。安波茶のほぼ中央部,市役所の南側の小高い丘に位置する。この丘は標高90mで,付近では最も高く富盛の頂(トモイノチヂ)と呼ばれており,石灰岩がわずかに見られる。「由来記」にはトモリ嶽,神名大和ヤシロ船頭殿ガナシと見え,大和の船頭の骨が埋められていると伝えられて村人および旅行者が崇敬するとある。「遺老説伝」によれば,この大和人は人柄がよく村人とも親しんで,農業を勧め,忠孝を教えたが,病死したため友盛御嶽に葬られた。その後その場所にしばしば神験があったため人々から神として尊信されるようになったという。現在ではニライ・カナイの神として航海安全が祈願されている。第2次大戦前までは日本本土へ向けて旅立つ家族・知人・友人を白い煙をあげて見送った場所でもある。なお,市役所の北側には東御嶽・西御嶽の2つの拝所があったが,宅地造成で破壊され,西御嶽だけが残った。現在は友盛御嶽とともに安波茶集落内に合祀されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7241173