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ナサマ道
【なさまみち】


西表(いりおもて)島南西部の旧道。方言ではナサァミチという。鹿川(かのかわ)湾の東側にある海辺の崖の切通しの道。旧鹿川村からクイラ川を越えたり,南岸の岩場を伝って島の東部へ行ったりする時に利用された。旧鹿川村の伝説の美女ナサマがここから落ちて死んだと伝えている。ナサマ道の東側に突き出している岬を方言でナーピャといい,サンゴ礁が切れているため往来の難所であった。こういう難所をムドゥルというが,ナーピャのムドゥルを一名ナサァムドゥルとも呼んでいる。西表島南岸の中央部,南風岸(はいきし)岳の真下の浜をバハリパマ(別れ浜)と呼んでいるが,ここはナサマが悲恋の相手である仲間村の満慶と別れた場所と伝えられている。ナサマの墓は今も旧鹿川村跡に残っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7241300