100辞書・辞典一括検索

JLogos

19

八幡宮
【はちまんぐう】


那覇(なは)市安里にある神社。祭神は応神天皇・神功皇后・玉依姫。安里八幡宮と通称する。琉球八社の1つ。「琉球神道記」は八幡大菩薩と書く。成化2年(1466)尚徳王の喜界島(鹿児島県)出兵の際,所願成就を誓い,水鳥を射た。海上に出てからは小鐘が船を離れなかった。尚徳王は鐘が手に入れば,帰国後に八幡大菩薩とあがむべしと祈誓したところ,片手で取り上げられた。その鐘を輿に入れ,帰国後に初めて矢を射たところに八幡宮を創建したという(琉球神道記・由来記・球陽尚徳王6年条)。正月元日・15日に官吏を遣わし,国王万歳・子孫繁栄・国家安穏を祈り,12月晦日は年籠りが行われた(由来記)。境内の御穀泉は神変加持の霊水といわれ,衆生の悩憂を洗うとされた(同前)。王府時代,神職には役俸が支給され,明治6年の「琉球藩雑記」では,祝部2石・内侍1石5斗・宮童1俵とある(県史14)。明治41年,那覇港築港のため,沖宮が八幡宮の隣に遷座した。八幡宮の本殿は縦3間・横4間。拝殿は4間に4間半であったが,昭和14年頃は礎石のみとなっていた。沖縄戦で焼失し,戦後本殿が再建された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7241433