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浜川御願
【はまがわうがん】


北谷(ちやたん)町浜川にある御嶽。方言ではハマガーウガンという。国道58号と県道23号(国体道路)の分岐点の西側にある琉球石灰岩の円筒形の岩山で,標高20~25m。周囲を含めて敷地は約500坪だが,かつてはもっと広かったと思われる。「由来記」に見える島森ヨリアゲノ嶽,「旧記」の島森寄揚嶽に当たるものか。「由来記」には神名イシノ御イベ,平安山ノロの崇べ所と見える。「ヨリアゲ」は,漁労に関して海の幸の寄り来ることを乞い願うという意味か。浜川御願も西方に埋立地が造成される以前には海岸に近い場所であった。岩山の周囲はウスクガジュマル・ミズユウナ・クワ・キリ・ガジュマル・ギンネムなどの雑木で覆われ,岩山にはノロ墓を含む5か所の拝所がある。清明祭の時に字浜川から重箱料理を供えウチカビ(打紙)を焼いて拝む。かつては3月3日にもノロが拝んでいた。浜川御願の南側には殿と火の神・竜宮神が祀られている。これは昭和57年12月に改修したもので,旧暦2月2日のクシユクイと同3月3日の浜下り,および清明祭に参拝する。殿・火の神はもともとこの地にあった。竜宮神は海岸が埋め立てられる前は渚で拝んでいたが,海岸線が遠くなったため浜川御願に移して安置した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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