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浜川御嶽
【はまがわうたき】


玉城(たまぐすく)村百名小字伊佐良原にある御嶽。「中山世鑑」の開闢神話に見えるアマミキョが作った藪薩の浦原の聖域に含まれ,東御廻りの聖地の1つ。村史跡。方言ではハマガーといい,「由来記」に浜川,神名ヤハラヅカサ潮バナツカサノ御イベと見え,西隣の受水走水(うきんじゆはいんじゆ)とともに「公朝御祈願」とある。海中の岩礁ヤハラヅカサ(波浪を鎮める霊威の意)のイベは,アマミキョが東海楽土のウフアガリジマ(大東島)から渡来して上陸した遺跡と伝える。それに続く海岸のスーバナチカサ(潮花司)のイベは巨岩に打ち寄せる潮の神霊を指す。「おもろさうし」巻13‐127,No.872の「あきみよ」は,この海岸のリーフ内にある水路といわれる。古来ウフアガリへの遥拝所として参詣人を集めたが,満潮時には波が打ち寄せる危険な場所であったので,100年ほど前に吉田下知役という役人の指示で,スーバナチカサのイベから20mほど上った現在地に移したと伝える。玉城ノロの崇べ所で,旧暦正月・8月に浜川拝みと称してお参りする人々が多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7241467