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部間権現
【ぶまごんげん】


名護市安和にある社。名護湾岸最西部の安和と本部(もとぶ)町との境界近くにある部間集落の北方,標高約80mの丘の上に位置する。地元ではブーマーゴンゲンと呼ぶ。現在,権現社の周囲は,セメント会社による石灰岩の採掘が大規模に行われているほか,建築材や道路舗装材が採掘され,社の西側から北側にかけての岩山は,ほとんど削り取られて見る影もない。社の東側はヤブニッケイ・トベラ・クスノハカエデ・ツゲモドキ・リュウキュウガキ・オオバギ・クスノハガシワなどの樹木が繁茂している。権現の入口から大鳥居までの坂道はセメント会社がアスファルト舗装道を設け,ビロウの並木を仕立ててある。大鳥居の後方の階段西側に石灯籠があり,登りつめたところにも小鳥居がある。その奥に拝殿があり,その後方にも神殿・石灯籠・鍾乳洞がある。石灯籠には道光30年(1850)の銘がある。鍾乳洞内から16世紀を降らないと考えられる中国製青磁が発見されている。昭和59年拝殿と鍾乳洞の中間に神殿を建立し,御天十二支ぬ神様・御天七神・アミダニョライの神様の3神を祀る。旧暦1月18日のハチウガン,4月17日のシングヮチウガン,9月17日のクングヮチウガンには,部間をはじめ,安和・崎本部の人々が,五穀豊穣・家内安全を祈願する。昔,漂流船が,部間権現の石灯籠の灯をたよりにたどり着いたという伝説がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7241610