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前兼久
【まえがねく】


旧国名:琉球

方言ではメーガニクという。沖縄本島北部の西海岸,国頭(くにがみ)山地と標高100m以下の台地を占め,集落は狭い入江が埋積された砂地に立地する。前兼久の名はこの地形にちなむ。前兼久の原始・古代については資料がほとんどないが,伝承を掘り下げて村落史が究明された(神と村・恩納村誌)。それによると,前兼久の前身は小字南風山のカチンジョウ(猪垣の出入口の意)にあった山間の小村であったもので,時代や動機は未詳ながら,ここから谷茶(たんちや)・富着(ふちやく)・前兼久,それに仲泊の一部住民が海岸に降りて,それぞれの集落を作った。村落祭祀でこの4か村が合同すること,近世の行政組織で4か村を統べる形で夫地頭が置かれたことも,この推断を裏付けるものである。
前兼久村(近世)】 王府時代~明治41年の村名。
前兼久(近代)】 明治41年~現在の恩納村の字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7241685