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嶺間御嶽
【みねまうたき】


多良間(たらま)村塩川にある御嶽。方言ではンニマウタキという。塩川集落の嶺間区の北方に位置する。小高いところに社殿があり,祭神は嶺間按司。嶺間按司は成化年間(1465~87)の人で,島外交易をしながら各地の文化をとり入れ,島民を教化した先人として崇敬されている。「遺老説伝」や「雍正旧記」(平良市史3)には,異国に漂着した時,同地の「神名遊び」という祭祀行事を習得,これを伝えたという伝説が記され,また島には,中国の賢人から「気が立ったら手を引け,手が出たら気を引け(短気をおこすなの意)」のことわざを教わり,のちにこのことわざで一家を救ったという伝説がある。社殿裏にその住居跡があり,井戸も現存する。境内周辺には昭和前期まで,フクギ・クロキ・イヌマキ・ヤラブなどの古木が鬱蒼と枝を交えていたが,第2次大戦後,区の公園造成計画によって切り払われた。しかし同計画は廃され,昭和40年頃植樹が始まって,復旧しつつある。御嶽では毎年11月3日に例祭が行われている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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