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屋我御嶽
【やがのうたき】


名護市屋我にある御嶽。「由来記」では屋我之嶽と見える。一般に屋我城として知られる。沖縄本島北部,屋我地島の最東端,屋我集落の北方約700mに位置する独立した小丘である。この小丘は琉球石灰岩からなり,頂上は標高約36m・周囲約400mで,ここにイベが設けられている。御嶽の植生はよく保護され,ホルトノキ・ヤブニッケイ・クロツグなどから構成される石灰岩質での植生が顕著である。発掘調査の結果,グスク時代中期から近世に至る生活跡として小貝塚が7か所,住居址が1か所確認されている。頂上部は径10mほどの平坦地となっていて,周囲は自然および人工の石垣で囲われている。南側からは鍛冶場跡も発見されている。中腹の平坦地には,約500年前のものと推定される祭祀場が設けられている。屋我城の西端には済井出(すむいで)の殿があり,済井出の古島とされ,今日も旧家のヤガヤー(屋我屋)を中心として拝まれている。屋我城での祭祀は,旧暦5月15日と9月9日に行われる。現在の屋我集落は,屋我城とその南側の古島にあった集落を,咸豊8年(1858)に現在の海岸寄りの墨屋原に移動して設けられたものである(球陽尚泰王11年条)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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