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やふそ
【やふそ】


「おもろさうし」に見える地名。具志頭(ぐしかみ)村具志頭(ぐしちやん)のうち。かつて具志頭間切具志頭村の近くにあったが,「由来記」に村名は見えず,具志頭村の項に屋富祖ギシノ嶽・屋富祖之殿があり,具志頭村の一部になったと思われる。巻19-43,No.1323の1首のみに次のように謡われている。一きこゑさすかさが(有名な差笠が) とよむさすかさが(名高い差笠が) あやわし よせる はなくすく(綾鷲寄せる玻名城)又きこゑはなくすく(有名な玻名城) とよむはなくすく(名高い玻名城)又さすかさが(差笠が) きみのあんしの かねとり(君の按司の金鳥)又やふそころかま(屋富祖ころがま〈人名〉) ころかまに とらしよわ(ころがまに取らし給え)具志頭村玻名城のことを謡った巻19-39,No.1319にも差笠神女が謡われていることから,「さすかさ」は玻名城の神女であろう。「あやわし」は,美しい鷲。鷲は,航海を守護する霊力,按司の支配力を高める霊力などを有すると考えられていた。ここは,後者の例である。「きみのあんし」は,神女の中の最高の神女という意味で,差笠の対語として使われ,その例はほかにもある。「かねとり」は,金鳥の意であろう。巻5-58,No.269のオモロに「とり」と「わし」が対語で謡われている。このオモロでも金鳥は,前述の綾鷲のことを指すのであろう。大意は,名高い差笠神女が,霊鳥である鷲を屋富祖ころがまに捕獲させて,玻名城に献上する,である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7241949