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世持神社
【よもちじんじゃ】


那覇(なは)市奥武山(おうのやま)町にある神社。旧郷社。祭神は具志頭文若(蔡温)命・野国総官命・儀間真常命で,琉球の産業の恩人3人を祀る。世持は,国を守護し支配する意のオモロ語で,世直しをも意味する。社名は島袋源一郎の創案。昭和11年5月5日創建。野国総官は中国からサツマイモを招来し,儀間真常はこれを国中に広めた。儀間真常は,ほかに黒糖の製法を伝え,木綿花を植えて綿織物を始め,農・工の普及発展に尽力した。蔡温は尚敬王(1713~51在位)の師父にもなったが,雍正6年(1728)三司官となり,実学を駆使して林政の基礎を築き,農政を刷新し,河川の改修,漏刻の訂正,土地の経界を正した。また封建世襲の弊を打破して,士族も商工業に従事できるようにするなど,産業政策の上に大きな足跡を残した人物である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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