100辞書・辞典一括検索

JLogos

33

猿賀村(近代)


 明治22年~昭和29年の南津軽郡の自治体名。猿賀村・八幡崎村・大袋村・日沼村・蒲田村・新山村・原村・中佐渡村・長田村・西野曽江村の10か村が合併して成立。旧村名を継承した10大字を編成。役場を八幡崎字本林に置く。明治24年の戸数485・人口3,453,厩211,学校2,水車3(徴発物件一覧)。明治22年に弘前警察署黒石警察分署新山巡査駐在所(明治20年に新山村岡部に設置)が黒石警察署新山巡査駐在所となる。明治42年の村の総面積は837町8反余,うち田地600町・畑地143町・宅地49町・山林6町・原野35町,ほかに雑種地6反余などがあった(南津軽郡是)。この年に猿賀から長田・中佐渡を経て黒石に至る道路が改修された(同前)。大正初年からリンゴ栽培が始まり,猿賀・八幡崎の大地を中心に普及した。昭和2年の田地570町・畑地150町,米1万7,000石・代価40万円を産し,リンゴ・疏菜の栽培も盛んなほか,藁工品3万円代をも産出。また養蚕もひろがり,県から養蚕村に指定された(県総覧)。同2年に弘南鉄道(弘前~尾上間)が開通,村の東側の中佐渡字南田の東南に津軽尾上駅が開設。南田は始発・終点駅前地区として発展を始める。黒石警察署新山巡査駐在所は明治末年に八幡崎字高原に移り,八幡崎駐在所となる(のち日沼字高田に再移転し,日沼巡査駐在所)。猿賀神社(猿賀字石林)境内の杉林に棲む鵜・青鷺・五位鷺が数を増し,昭和10年には鵜と鷺が国天然記念物に,境内一帯も鵜・鷺繁殖地として文部省から指定された。猿賀宮は観光地としても比重を増した。昭和22年に猿賀中学校開校。同25年八幡崎字宮本に独立して新築移転。猿賀神社の蓮池から蓮根が収穫されて,羊羮などに加工され,尾上の名物となる。同29年の村の総面積は11.64km[sup]2[/sup]。戸数・人口は,明治42年586・4,774,大正5年587・4,438,世帯数・人口は昭和10年735・4,560,同21年836・5,305,同29年878・5,852。昭和30年1月1日尾上町の一部となり,村制時の10大字は,同町の大字に継承。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7251046