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小野村(近世)


 江戸期~明治22年の村名。栗原郡のうち。「封内風土記」の戸口50,村高は「元禄郷帳」628石余,「天保郷帳」では1,629石余。寺社に天神宮・羽黒権現社・白山権現社,天正15年建立の曹洞宗梅香院がある。梅香院は名生【みよう】城主大崎義隆の息女梅香院の開基といわれ,境内にその墓碑がある。梅香院東方には中世末期大崎義宣が居城していたと伝える内館城址があった。また朽木橋には源義経の奥州下向の際,矢を渡して橋としたという伝説があり,「あふ事はくち木の橋のたえだえにかよふばかりの道だにもなし」など古歌に詠まれている。村内西北の川熊に広がる化女沼は小野村・荒谷【あらや】村・長岡村・川熊村,遠田【とおだ】郡沼木村・諏訪峠村の6か村の用水で(封内風土記),また元禄年間には沼の周辺に堤が築かれ(栗原郡旧地考),周辺の村々への灌漑用水の供給地として重要であった。江戸期には,東部湿地帯(通称千枝湖)の干拓のため1,300mほどの潜穴が完成し,萱刈川と直結された。明治元年宇都宮藩預り地,以後,栗原県・登米【とめ】県・一関県・水沢県・磐井【いわい】県を経て同9年宮城県に所属。この間明治8年長岡村と合併。同11年小野尋常小学校開校。同22年栗原郡長岡村の大字となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7256314