新顔好村(近世)

江戸期～明治９年の村名新顔吉村・新好吉村とも書き，「しんこうよしむら」とも称した村山地方，月布川中流沿岸に位置する村山郡のうちはじめ最上氏領，元和８年左沢【あてらざわ】藩領，寛永８年幕府領庄内藩預り地，同９年庄内藩領，慶安２年松山藩領（左沢陣屋支配），天明５年幕府領，同８年からは再び松山藩領本郷に属す村高は，「最上記」によれば元和９年顔好村として45石余（寒河江市史編纂資料叢書22），「天保郷帳」69石余，村山石高帳では天保13年59石余，「旧高旧領」68石余ただし江戸初期の領主変遷は不明な点も多く，「最上記」によれば当村は元和９年には山形藩預りの幕府領とある従って元和８和幕府領となり，寛永元年の村替えの際に左沢藩領となり，もともと左沢藩領であった本顔好村に対して新顔好村と称したとも考えられる慶安２年の左沢山里苅田畠寄帳では，村高58石余（うち田39石余・畑16石余・屋敷２石余），青苧【あおそ】代米９斗余，屋敷８軒天明７年の左沢領村々様子大概書下（県史13）によれば，同５年の村高59石余，反別は田１町６反余・畑１町７反余，家数14軒，人数は男32・女41，馬１，用水は漆川（月布川）の水を引いて利用したが，旱損の被害を被り，年貢は金納であった農間余業に男は薪を取り，また青苧を作った朱印６石余を有する羽黒権現，ほかに太子堂がある旧山形県を経て明治９年山形県に所属同年本顔好村と合併して顔好村となる

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典(旧地名編)」 JLogosID : 7263309