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定峰村(近世)


 江戸期~明治22年の村名。秩父郡のうち。古くは恒持荘に属したという。はじめ幕府領,のち忍【おし】藩領。村高は「田園簿」では82石余,「元禄郷帳」では144石余,「天保郷帳」では180石余。村の規模は東西1里余・南北30町。純山村で田畑耕作のほか,材木の伐採・炭焼を主に,農間には繭・生糸・横麻などを産出。タバコと干柿が名産。村内に2条の道が通り,小川および秩父方面と結んでいた。高札場はなく大野原村の高札場を使用。定峰川の支流である細流が多く,各谷に民家が点在し,化政期の家数78軒。神社は鎮守白山社と妙見社。ほかに34社と多数。寺院は曹洞宗岩尾山定嶽寺,開山は天文18年入寂の禅興恕江で戦国期の開基という同白明山雲竜院。明治9年埼玉県に所属。同年の戸数66・人口287,定嶽寺に公立小学校があり,生徒数25。物産は繭・絹・生糸・コウゾ・炭。同12年秩父郡に所属。明治22年高篠【たかしの】村の大字となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7287570