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恩名郷(中世)


 室町期~戦国期に見える郷名。相模国愛甲郡のうち。女名とも書く。応永33年12月19日の了義書状に「竹三百本之代三貫七百五十□□請取を,女名郷銭方之⊏⊐し給へく候」と見える(金沢文庫古文書/県史資3上‐5777)。また,同年と推定される年月未詳11日の了義書状に「将又竹之事蒙仰候,百文ニ八□(本),三百本ハ〈女名郷〉三貫七百五十文にて候へく候」ともあり,当郷から称名寺に竹300本が調達され,その代金3貫750文が支払われている(同前5778)。室町期と推定される年月日未詳の了義書状に「女名郷御年貢米令進納候」と見え,当郷は称名寺領であった(同前5781)。戦国期の「役帳」には小田原衆花之木某の所領役高として「百拾貫文 同(中郡)恩名・及川」と見える。また天正10年8月27日には北条綱成が堀内七郎衛門尉に「於中郡恩名之郷弐拾貫文」を与えている(堀内文書/県史資3下‐8782)。天正18年4月日の豊臣秀吉禁制写に「相模国大中郡おんな・及河」と見え,当地に禁制が下されており,秀吉は小田原攻めに際して当地を掌握しようとしたことがわかる(相文/同前9743)。




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「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
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