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小林郷(中世)


鎌倉期~室町期に見える郷名相模国鎌倉郡のうち「吾妻鏡」治承4年10月12日条に「寅剋為崇祖宗,点小林郷之北山,構宮廟,被奉遷鶴岡宮於此所」と見え,康平6年8月源頼義が石清水八幡宮を「由比郷」に勧請した「下若宮」(現在の鎌倉市材木座にある元鶴岡八幡宮)を当郷に移しているこれが現在の石段の下のところの鶴岡若宮にあたるその後,当郷周辺は鶴岡八幡宮の社地となり,「鶴岡八幡宮寺社務職次第」には「一,鎌倉郡谷七郷事,小坂郷〈小坪〉・小林郷〈下若宮辺・佐介等〉・葉山郷・津村郷・村岡郷・長尾郷・矢部郷」が代々の所領として見えている(神道大系)これは,下若宮(元鶴岡),佐介稲荷を末社としているため,当郷のうちに加えたものである下って,嘉吉3年6月吉祥日の年紀のある飯山両社権現社所蔵の銅板背銘に「今歳癸亥四月十有三日,相州鎌倉郡小林郷於烏(鳥カ)合原今幸有得此□鏡」と見えている(新編相模)この飯山両社権現社は,大江広元・毛利季光父子を祀ったもので,広元11代の後胤永井元勝が嘉吉3年6月に当郷内鳥合原でこの銅板および銅鏡を得たことが記されているなお,「義経記」にも当地名が見える現在の鶴岡八幡宮のある鎌倉市雪ノ下付近に比定される




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7303411