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広岡村(近世)


 江戸期~明治22年の村名。若狭国大飯【おおい】郡のうち。小浜藩領。村高は,「正保郷帳」で田方178石余・畑方9石余の計187石余,「元禄郷帳」「稚狭考」ともに同高,「天保郷帳」「旧高旧領」197石余。「雲浜鑑」では戸数18・人口98。字宮の奥に応永30年創建という八幡神社があるが,笹谷村とともに岡安村依居神社の氏子ともなっている。江戸期には佐分利川で鮭漁を行って運上銀を上納し,元禄2年の当村小物成中に佐分利川魚梁運上銀129匁と見え(山崎家文書),同16年には86匁が本郷組,43匁が佐分利組と分けられている(荒木家文書)。早くから鮭梁漁が行われていたが天保5年の願書によれば,野尻銅山の悪水によって鮭の溯洄がとだえ運上銀も免除されていたが,近頃遡上があり運上銀は10匁としたいと願い出ている(村松家文書)。寛延3年の小物成帳に夫米2石余・入草代銀20目と見える(中山家文書)。明治4年小浜県,以降敦賀県,滋賀県を経て,同14年福井県に所属。「滋賀県物産誌」によれば,戸数15・人口64,反別30町8反余,産物に粳156石余・糯7石余などがある。同22年佐分利村の大字となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7333730