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篠間郷(中世)


 戦国期に見える郷名。駿河【するが】国志太【しだ】郡のうち。天文16年9月25日の瑞光院道音年貢定書(岡埜谷文書/県史料3)に「篠間郷之内,上河内村ひなたわき御年貢之事」と見えるのが初見。永禄6年9月11日の峯叟院宛寿桂尼寺領寄進状に「れうしよさゝまの郷かみかうちむらにをひて壱貫八百文地事」とあり(峯叟院文書/県史料3),今川氏の直轄領であったことが知られる。なお,天正7年6月吉日の日付をもつ「三光寺大般若波羅蜜多経奥書」には「駿州篠間住人 石上志磨守 清安敬白」と見える(三光寺文書/県史料4)。この石上氏は,現在の川根町大字笹間上字石上城山にある石神城の城主だった人物と考えられ,「石上久左衛門系譜控」および「石上藤兵衛系図」によれば,北条相模入道宗鑑に仕えた藤右衛門尉宗顕の三男藤九郎宗高が南北朝末期頃,当地に土着したとされるが,戦国期までの系譜は明らかでない(城郭大系9)。開発については平家の落人平清久が土着したという伝承もある(静岡県志太郡誌)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7350146