平民村(近世)

江戸期～明治８年の村名遠江【とおとうみ】国山名郡のうち遠州灘に注ぐ弁財天川上流域に位置する横須賀藩領，元禄11年幕府・旗本松平氏・同菅谷氏・同花房氏の相給，のち掛川藩・旗本皆川氏・同菅谷氏・同花房氏の相給を経て，幕末には幕府・掛川藩・旗本菅谷氏・同花房氏の相給となる村高は，「元禄高帳」752石余，「天保郷帳」「旧高旧領」ともに762石余「掛川藩知行調」によれば，掛川藩領の高115石余，うち新田８石余・諸永当引３石余，年貢率は田３割４分余・畑４割１分，家数13・人数64，馬数６，圦樋６「掛川誌稿」では戸数69・人数281，平民氏の古家があったとある地名はその姓氏名にちなむとみられる南方に平民前という地があり，平民氏宅があった所であるという「遠淡海地志」では戸数65寺院には曹洞宗常楽寺・同宗智光庵・薬師堂，神社には鎮守の牛頭天王・八面大明神などがある貞享３年新堀村と松原村の間を東西に延びる中畦横須賀堤（沖田堤）をめぐり，当村ほか堤北の上輪３か村と堤南の下輪14か村との間に用排水の争論が生じた当村は用水には恵まれたが，同堤のために悪水の被害をしばしば受けやすかったという（浅羽風土記）明治元年駿府藩領（同２年静岡藩と改称），同４年静岡県，浜松県に所属同８年石原村と合併して豊住村となる

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典(旧地名編)」 JLogosID : 7352814