100辞書・辞典一括検索

JLogos

15

岩塚郷(中世)


 鎌倉期~戦国期に見える郷名。尾張国愛知郡のうち。正和5年11月日付熱田太神宮領別納等注進状写に「岩墓郷〈当知行ノ内愛智郡〉」とある(楓軒文書纂中)。文和3年4月23日付熱田社領目録案によれば「岩基(墓)郷」の熱田【あつた】社領は畠21町6反余からなり,そのうち年貢を負担する定畠は15町9反余であった(熱田神宮文書/一宮市史資料編6)。室町期,応永9年5月28日付尾張国目代光守注進状に国衙領として記される「愛智〈号岩塚〉」も当郷とみられるが,この頃には守護勢力の支配下に入り,国衙領主醍醐寺や熱田社などの知行は有名無実となっている(醍醐寺文書/同前)。「信雄分限帳」には「一,千百貫文 岩塚ノ郷 於田井太郎左衛門」とあり,戦国期の天正12・13年頃には小田井太郎左衛門の知行地であった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7354806