草平新田村(近世)

　江戸期～明治22年の村名。尾張国海東郡のうち。尾張藩領。鵜多須代官所支配。津島五ケ所新田の１つで，津島草平新田とも称した。当山記録によれば，慶長年間葉苅村・津島村・釜之段村などから移住した16人が開発した（養性寺文書／佐織町史資料編２）。寛政７年の草平新田反高地帳によると，慶長13年に検地（渡辺家文書／同前）。また寛永19年の津島村草平新田検地帳も残る（祖父江家文書／同前）。村高は「旧高旧領」664石余。天保12年の村絵図によれば，概高461石余，宝暦11年・寛政２年に増高となり474石余，のち各新田の検地がなされ，654石余となった。「徇行記」によると全村蔵入地，戸数148・人数710，馬８。集落は旧日光川沿いに形成され，道東・堤下・中切・池西の４つに分かれる。また集落内を津島街道（上街道）・赤目街道が通る。天保12年の村絵図では家数155・人数739。神社は天王社（津島社）。寺院は真宗大谷派養性寺。同寺の縁起によれば，慶長16年円成の再建で，延宝５年に寺号を得た。明治初期の第六大区十三小区物産表によれば，米・糯米・大麦・小麦が生産作物の中心で，ほかに白大豆・晩小豆・菜・綿子・菜子なども生産（同前）。藍生産や織物も盛んであった。明治６年公立の醸郁学校が開設され，同９年草平学校と改称し，同20年草平尋常小学校となる。同22年草場村の大字となる。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典(旧地名編)」 JLogosID : 7356671