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大村(近世)


 江戸期~明治22年の村名。一志郡のうち。「文禄3年高帳」に大村之郷と見える。津藩領。村高は,「文禄3年高帳」「元禄郷帳」ともに1,791石余,「天保郷帳」1,874石余,「旧高旧領」1,890石余。「宗国史」によれば,家数221・人数1,087,馬28,牛50。初瀬街道(伊賀街道)の宿場町であったため3軒の旅籠屋があり,参宮講者の定宿であった枡屋には講社札28枚が残る。そのほか商家も多く旅人の需要に応じた。付近10か村を支配する地方行政の中心地でもあり,藩の代官所や大庄屋があった。大庄屋は木造家の一族で当地に土着して池田を名乗っていたが,寛政8年の百姓一揆の張本人と目され,処罰されて牢死し,このため屋敷は藩に没収され代官所となった。同所には明治元年長崎浦上地方のカトリック教徒75人が収容され,同6年にキリスト教禁制が撤廃されるまで身柄が拘束されていた。村民は南出村の白山比咩神社の氏子。寺は天台真盛宗の福聚院東明寺,浄土真宗本願寺派真念寺,真宗高田派浄芳寺・延寿寺・正福寺などがある。明治4年度会【わたらい】県,同9年三重県に所属。同22年大三【おおみつ】村の大字となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7363531