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中村(近世)


 江戸期~明治22年の村名。名張郡のうち。はじめ伊賀上野藩領,慶長13年からは津藩領。村高は,「宗国史」625石余,「天保郷帳」687石余,嘉永6年の村々明細帳では本高625石余・平高864石余,「旧高旧領」686石余。寛延年間頃の家数75・人数323(宗国史)。嘉永6年の田38町余・畑8町余(屋敷も含む),家数65・人数307(村々明細帳)。川沿いの平地に田,丘陵地に集落と畑が開かれ,米・麦・雑穀を産した。寛政3年夏見村・瀬古口村・中村の3村60町余を灌漑する三村渠水が完成した。鎮守は八幡神社で,ほかに八王子社があり,寺院は真言宗豊山派福成就寺と同寺末寺の十王寺がある。福成就寺は文明12年の銘がある木造黒漆厨子を所蔵し,十王寺は明治初年廃寺となる。明治4年安濃津【あのつ】県,同5年三重県に所属。同12年夏見・瀬古口・青蓮寺・中知山の4か村と組合を編成,夏見村に連合戸長役場を置いた。同16年の戸数78・人口373,うち男177・女196(村地誌取調上申書)。同22年箕曲【みのわ】村の大字となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7366530