世木村(中世)

　南北朝期～戦国期に見える村名。丹波国船井郡のうち。観応２年９月10日，佐々木秀綱が相模国大庭御厨の替地として足利義詮より「常陸国佐都東・丹波国世木郷〈神田五郎入道跡〉・出雲国日登郷」を宛行われている（佐々木文書／大日料6-15）。以後，室町期まで佐々木氏が伝領したものらしい。応永８年には，足利義満が佐々木高光の所領「丹波世木村〈公田拾弐町〉」の諸公事・臨時課役・守護役・段銭などを免除，守護使入部を停止しており，同年11月14日，同27日，同12月３日，同５日の日付で遵行関係文書が残されている（同前／同前7-5）。その後，「親元日記」所収の政所賦銘引付によれば，文明９年12月８日，当村の所務に関する籾井三郎久俊の訴えが裁許されており，永正２年２月24日には，秀兼の奉行で「丹波国船井郡世木村一円〈但除公文分〉并大谷村一円，同桐野河内惣下司職」が高屋宗右衛門尉に宛行われている（蜷川家古文書３）。江戸期には桂川沿岸に世木林村・上世木村・世木中村（中村）が存在した。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典(旧地名編)」 JLogosID : 7377349