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陶器保(中世)


室町期に見える保名和泉国大鳥郡のうち奈良期の陶邑【すえむら】にあたる初見は「親元日記」寛正6年5月22日条(続大成)で,「細川阿波殿御使〈下笠〉,泉州陶器保逃人,御料所河州へきニ籠居,可有御成敗」とあり,和泉守護細川持久の使の下笠が,陶器保から日置に逃げ込んだ者の処罰を幕府に申し入れているまた同書の同年6月2日条に,「細川阿州御使〈下笠〉,就泉州陶器事,守護代状給云々,即蜷式方江遣之」とあるのもこれに関連するものとみられるこれより先,南北朝期の正平5年11月日の和田助家目安案(和田文書)に,「陶器,深井号由緒,向井五郎左衛門入道正吽拝領之」と見える正平7年6月日の和田助氏軍忠状(同前)によれば,南朝方の助氏は正平6年7月25日から30日にかけて,「罷向陶器城致合戦畢」とあり,淡輪助重もまたこのとき陶器城攻撃に参加している(淡輪文書/大日料6-15)永正3年6月1日付の旦那売券(潮崎稜威主文書/熊野那智大社文書4)では,「和泉国とうき・同いわたに」の熊野先達職が売買されている近代には東陶器村・西陶器村があり,現在の堺市陶器北を中心とするあたりに比定される




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「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
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