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平尾村(近世)


 江戸期~明治22年の村名。豊島郡のうち。中世の牧村から分かれて成立したと伝える。文禄3年の豊嶋郡牧平尾村検地帳(平尾共有文書/箕面市史)が初見。文禄2年青木氏領,慶長18年麻田藩青木氏領,元和5年からは旗本青木氏知行。村高は,文禄3年の検地帳では378石余,摂津草高帳では380石余,「天保郷帳」「旧高旧領」ともに変わらず。旗本青木氏の「平尾役所」が置かれた。鎮守は八幡宮。寺院は天台宗寺門派園城寺末滝安寺・真言宗西大寺末西江寺・浄土宗知恩院末法輪寺。滝安寺は,白雉元年修験道の祖師役小角行者の開基と伝えられ箕面山と号す(箕面寺秘密縁起)。西江寺は日本最初の歓喜天出現地と伝えられる(西江寺縁起)。四季を通じて観瀑賞楓に箕面の滝と山を訪れる文人墨客人士が絶えず,そこから数多くの詩歌が詠まれている(摂津名所図会/箕面市史)。明治2年「平尾役所」廃止。同4年大阪府に所属。同年の平尾村戸籍簿(平尾共有文書/同前)では家数74軒・人数391,職業別では農業46軒・大工3軒・荷車3軒・宿屋2軒・古物質9軒・酒売2軒,ほかに理髪・油絞・鍛冶・産婆・煮売・料理屋各1軒など。同9年の人口345。同19年に滝安寺岩本坊(本坊)に通じる箕面川沿いの新道400間が開通(萱野共有文書)。同22年箕面村の大字となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7385922