100辞書・辞典一括検索

JLogos

29

阿斗(古代)


大和期から見える地名吾礪・阿都とも書く雄略紀7年是歳条に百済の献上した手末の才伎を「倭国の吾礪の広津【ひろきつ】邑」に安置したが,病死する者が多かったとあるまた敏達紀12年是歳条に火葦北国造阿利斯登の子,日羅を百済から招喚し,館【むろつみ】を「阿斗桑市」に設営し,住まわせたとあるのちに「日羅,桑市村より,難波の館に遷る」ともある用明紀2年4月丙午条には,物部守屋大連の別業が「阿都」にあり,大連はそこに退いたと記されるさらに推古紀18年10月丙申条に,新羅・任那の使人が京に至り,「阿斗の河辺の館」に安置されたことが見える以上によれば,当地には市・館・別業などが存在したことになる「大和志」は城下郡阿刀村(現田原本町阪手の東南)に比定するが,河内国渋川郡跡部郷(現大阪府八尾市植松)とする説も有力である特に守屋の別業は河内にあった可能性が強い




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7397784