100辞書・辞典一括検索

JLogos

28

宇智郡


江戸期の当郡の村数と総石高は,「慶長郷帳」では1万6,266石余,「寛永郷帳」では91か村・1万6,293石余,「寛文郷帳」では54か村,「元禄郷帳」では60か村・1万8,291石余,「天保郷帳」では59か村・1万8,520石余,「旧高旧領」では63か村・1万8,229石余。「天保郷帳」によれば,当郡内には佐名伝・八田・車谷・滝・南阿田・東阿田・西阿田・山田・原・湯谷市塚・島野・六倉・牧・小島・宇野・西河内・三在・住川・小山・居伝・近内・出屋敷・小和・東久留野・西久留野・北山・大沢・上之・上中・下中・岡・大島・今井・須恵・五條・鎌窪・下之・本之原・畑田・相谷・新田・上野・犬飼・二見・新町・野原・霊安寺・丹原・御山・黒駒・大野・山陰・中・大津・表野・火打・大深・田殿・樫辻の村々がある。当郡の所領構成は,「寛永郷帳」では本多内記(郡山藩)7,586石余,庄田小左衛門973石余,小堀九郎兵衛973石余,根来右京・同愛染院・同小才次2,000石余,金剛山30石,赤井太郎左衛門1,000石,畠山長門守1,500石,村瀬左馬助500石,水野石見守180石余,舟越三郎四郎1,499石余,「寛文郷帳」では本多内記(郡山藩)7,586石余,庄田小左衛門973石余,小堀九郎兵衛973石余,根来右京・同愛染院・同小才次2,000石余,金剛山30石,赤井太郎左衛門1,000石,畠山長門守1,005石,村瀬左馬助500石,水野石見守180石余,舟越三郎四郎1,499石余とある。「寛文朱印留」における当郡の大名領は,郡山藩領21村・9,483石余となっている。また,明治初年の大和国旧各管地沿革(内閣文庫蔵奈良県史料)によれば,幕府領33村・9,944石余,旗本小堀大学知行5村,同庄田八十之助知行5村,同水野国之助知行1村,同根来道太郎知行5村・754石余,同根来左京知行10村・1,445石余,同赤井善三郎知行3村・306石余,同赤井五平次知行4村・623石余,同赤井一学知行1村・100石,同船越鉚之助知行5村・1,499石余,同畠山飛騨守知行2村・1,500石,金剛山領30石余からなっていた。元和2年まで五條二見村に大名松倉氏の陣屋が構えられ,寛政7年以降五條代官所が設けられた。文久3年五條代官所は天誅組に占拠された。江戸中期の当郡の特産品として,「大和志」には漆・桕椈・簸箕・焔硝・竹火縄・松脂膏があげられている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7398253