芝村(近世)

江戸期~明治22年の村名。式上郡のうち。もと岩田村。戒重藩の藩庁移転に伴い正徳3年幕命により岩田村を芝村と改称。なお藩庁の移転は延享2年のことで藩士やその家族が移住し,旅館や郷宿・御用商人らが上街道筋に町並みを形成した。芝村藩領。村高は,「天保郷帳」984石余。行政的には芝村の村高984石を2分して東組・西組がつくられ,それぞれに庄屋・年寄など村役人が置かれた。寛政年間の家数400余・人数1,500~1,600。明治15年頃の村況は,税地は田53町5反余・畑6町1反余・宅地8町1反余・山林8畝余,戸数273・人口1,236,馬1,人力車7・荷車5,神社は春日社・九日社・建勲社・稲荷社2,寺院は慶田寺・地蔵庵,ほかに公立小学校があり,物産は実綿・菜種・葉煙草(町村誌集)。同22年織田村の大字となる。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典(旧地名編)」 JLogosID : 7399910 |