阿武郡

慶長15年検地帳によれば，当郡の村は徳佐郷，地福，生雲郷，蔵目喜鉛山，木部郷，高佐郷，賀年【かね】郷，小川郷，田万郷，須佐郷，宇多，惣合，奈古・木与，宇生賀【うぶか】，弥富，福田郷，大井郷，福井郷，椿郷，川島，三見郷，紫福【しぶき】郷の22か村，石高は田４万2,788石余・畑5,176石余・百姓屋敷2,626石余・市屋敷100石余・町屋敷104石余・浦屋敷139石余・小物成817石余・浦浮役1,227石余・塩浜役３石余・鉱山3,241石余で合計５万6,226石余，反別は田3,669町余・畑1,592町余・百姓屋敷344町余・市屋敷８町余・町屋敷５町余・浦屋敷７町余，家数は百姓屋敷5,486・市屋敷266・町屋敷286・浦屋敷548。寛永２年検地帳によれば，村数22，石高は６万7,081石余うち田５万3,813石余，畑7,779石余，百姓屋敷3,678石余，市・町屋敷189石余，浦屋敷100石余，反別は田3,648町余，畑1,895町余，百姓屋敷354町余，市・町屋敷11町余，浦屋敷４町余，家数は百姓屋敷5,489，市・町屋敷428，浦屋敷529。「地下上申」によると，川島庄・椿東分・椿西分・山田・木間・三見・大井・明木【あきらぎ】・佐々並・江船・川上・野戸呂・福井上・福井下・黒川・紫福・吉部・高佐・片俣・奈古・木与・宇多・惣郷・福田・宇生賀・上田万・下田万・江崎・上小川・下小川・鈴野川・弥富・須佐・嘉年【かね】・徳佐・地福・蔵目喜・生雲・渡川・篠目の40か村と大島・櫃島・羽島・尾島・相島の５島。萩藩領の宰判は当島・浜崎・奥阿武・山口の各宰判。ほかに徳山藩領が一部を占めている。「旧高旧領」によれば，旧萩藩領55・徳山藩領２の57か村・10万3,871石余。明治７年，大区小区制による当郡の会議所は萩町と吉部村に置かれたが，同11年大区小区扱所は萩町に統合された。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典(旧地名編)」 JLogosID : 7424503