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小松島(中世)


 鎌倉期から見える地名。勝浦郡勝浦新荘のうち。正応3年頃と推定される年月日欠の勝浦郡生夷荘地頭に宛てた紀伊熊野新宮々主高実書状に「剰又申状仁於小松島津材木請取たる之由,被申候条,存外次第候」と見え,当地に津(港)があり,材木が積み出されていたことが知られる(紀伊熊野新宮文書/鎌遺17402)。また元亨2年4月27日の預所肥後守経家請文には「阿波国海賊出入所々被聞召及……於領内ニ勝浦新庄小松島浦之船ハ定紋〈唐梅〉候畢」とあり,勝浦新荘預所である岩松経家が紀伊国安宅荘久木の小山石見守に,阿波国の海賊が横行している中で,当浦所属の船の定紋(唐梅)を通知・誓約しており,他の海賊船と区別していたことがわかる(小山文書/徴古雑抄2)。下って天正7年12月8日の高市正見森長久連署寄進状に「小松島ノ地蔵寺参」とあり,2反120歩が寄進されている(地蔵寺文書/阿波国最近文明史料)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典(旧地名編)」
JLogosID : 7427680