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太陰暦
【たいいんれき】


月の満ち欠けは,海の潮(しお)の干満(かんまん)と密接な関係があることなどから,人間の生活と深く結びついています。月の満ち欠けの周期に基づく暦(こよみ)を太陰暦(たいいんれき)といい,古くから世界の各地で用いられてきました。新月から次の新月までの周期を平均すると29.5日になるので,太陰暦では,ひと月は30日(大の月)と29日(小の月)をくり返します。そして,1年を12か月として,1年は354日となります。イスラム暦(れき)は,現在でも使われている純粋(じゅんすい)な太陰暦です。
太陰暦では,私たちがふだん使っている太陽暦(たいようれき)より1年が11日短くなっています。純粋な太陰暦では,このずれを補正しないので,太陽暦とは毎年11日ずつずれていきます。たとえば,第1月が翌年には11日前に始まるのです。このようにしてどんどんずれていくので,第1月は夏であったり冬であったりするのです。太陰暦は,季節と結びつくことのない暦といえます。




東京書籍
「宇宙の科学アストロジア」
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