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阿寒横断道路
【あかんおうだんどうろ】


釧路地方の弟子屈(てしかが)町弟子屈と阿寒町の雄阿寒温泉(オクルシベ)までの道路の通称。延長36km。弟子屈町と帯広市を結ぶ国道241号(149km)の一部で,昭和3年に着工,同5年に完成した。この道路は雄阿寒岳の南を通り,弟子屈町では鐺別(とうべつ)川に沿ってほぼ東西に開削されたが,その大部分は未踏の部分であった。この路線の開削は摩周湖の国立公園指定を企図したものといい,沿線は,緑色凝灰岩や安山岩の溶岩のため線形,勾配も険しく当時は477曲り道路と呼ばれた。昭和40年から両町境界付近の清水沢を中心に本格的な改良工事がなされ,覆道工や法面の保護のほか,同50年には舗装も実現し,冬期間の通行も可能となった。この道路の完成により,阿寒湖と摩周・屈斜路(くつしやろ)湖とのルートが確立し,戦後は知床と阿寒を結ぶ広域観光ルートの一部となった。この路線の阿寒町側にはパンケトーやペンケトーを望む双湖台や,雄阿寒・雌阿寒を望める双岳台などの景勝地もある。また沿線の弟子屈町鐺別台地への入植は明治30年以降で,辺計礼(ぺけれ)山(732m)の東麓にはかつて阿寒金山と呼ばれた泰豊鉱山が稼業した。沿線には遊覧飛行のための弟子屈飛行場や鐺別温泉・弟子屈温泉などがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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