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石北トンネル
【せきほくとんねる】


上川地方上川町と網走地方白滝村の境にある石北本線のトンネル。全長4,329m。トンネル名は,旧石狩国と北見国の境界にあたることからの命名。トンネル西側に中越,東側に奥白滝の駅がある。石北本線は,大正元年10月網走・野付牛(現北見駅)・留辺蘂間の開通に始まるが,同年狩勝峠から十勝地方池田経由で野付牛に至る路線が開通,このため北見山地南部を横断する石北本線の建設は進まなかった。昭和4年8月に網走地方の遠軽(えんがる)から西へ延びてきた石北東線が遠軽村白滝まで,同年11月に東旭川から東方へ延びた石北西線も,中越(当時上川村)まで前進した。両地域を結ぶ最大の難所は石北トンネルの開削工事部分で,北見山地の分水嶺の標高920mの下部,隧道施工基面最高640mの地点を東西から掘進,昭和4年5月に着工,同7年7月完工した。同年10月石北線全線が開通したが,中越~奥白滝間は最急勾配1,000分の25,最小曲線半径301m,トンネル全長4,329mで当時は道内で最長,全国第4位であった(北海道鉄道百年史上・上川町史)。石北トンネル南方約0.7kmの地点に,国道333号の北見峠(標高857m)がある。この峠道は,明治22~23年に囚人により建設された北見道路に始まるが,当初は険阻な悪路であった。トンネル開削により,上川・網走両地方に直通路線が通じ,住民生活の利便はもとより,地域の開発に大きく貢献した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7600237