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東鳥海山塊
【ひがしちょうかいさんかい】


湯沢地塊ともいう。湯沢市と雄勝郡稲川町とにまたがる山塊。横手盆地の南東隅に位置し,雄物(おもの)川上流と皆瀬(みなせ)川の狭長な地溝帯にはさまれている。主峰は標高777.4mの東鳥海山。北は皆瀬川で限られ,東側は後斜面で稲庭(いなにわ)盆地に臨み,西側は南北に直線状に走る断層崖で,横手盆地の平地に接する。南は高松川の久根合(くねあい)盆地から宇留院内(うるいんない)川沿いに藤倉までの,旧道に沿う断層谷が境目。山塊には東西に通じる峠が3か所にあり,南から関口峠・山谷(やまや)峠・杉沢峠である。峠道に好露頭が多く,地層が東に傾斜していることが観察され,典型的な傾動山塊(ブロック)である。西側断層崖下の湯沢市三関(みつせき)一帯には,標式的な微扇状地が並び,特に国鉄奥羽本線三関駅付近からは,みごとな三角末端面と扇状地が望見される。同扇状地は果樹園に利用されサクランボの生産は県随一。扇端湧水地帯は三関セリの栽培で知られる。山名の東鳥海は鳥海山の東に位置し,鳥海山修験の信仰の一端を担っていることによって生じたものである。小山ながら断崖は行場に適し山上には東鳥海山神社がまつられ,麓の扇状地上の村落には修験時代の遺制を示す社家がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7601023